風に恋したキミと



何にも返事をしてくれない佑真。



死んじゃったりしないよね。また前みたいに話せるよね。



こうなるんだったら桐島に聞きたかったことちゃんと聞いとけばよかったよ。



「小川~!」



後ろを振り返ると、全速力で走ってきた柊くん。



「柊くん、佑真が……佑真が」



それしか言えずに佑真が心配で心配で涙が止まらない。



「小川泣くなって、大丈夫だから。桐島は小川を置いていなくなったりしねぇって。



それより救急車は?」



わたしの頭をポンポンと撫でながらゆっくりそう言うと、事故を起こした軽トラックの運転手の人が「呼びました。すぐに駆けつけてくれるそうです」と声を震わせながらそう言った。



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