風に恋したキミと
1人ずつうちの部活のみんなは足を止めていて、柊くんは副部長の佐藤くんに橋本先生を呼んでくるように頼んでいた。
「ぐすっ、……うー」
その間もわたしはショックで泣くことしかできなくて。
佑真が遠いところに行ってしまったらどうしようって頭の中はそればっかりで。
けれど、みんなは佑真を見てびっくりしながらも「大丈夫だよ」って何度も励ましてくれた。
そして橋本先生が駆けつけてタオルを持ってないか声を掛けて、タオルをもらうと急いで止血をしていた。
それからすぐに、救急車のサイレンが聞こえてきて佑真はストレッチャーに乗せられると代表で柊くんが一緒に付いて行って
橋本先生は状況だけ把握すると、車で行くと救急隊員に伝えているのが聞こえた。
そして救急車のサイレンと走り去る車の音を聞きながら
どうか佑真ともう一度話せますようにって何度も何度も願ったんだ――――。