【実話】終わらないトンネル


そんな頃、友達からお呼びがかかった


「梓ぁ、一緒にミニバスしない?
トモコもマイちゃんも居るしどう?」


「バスケ?
うーん、お父さんに聞いてみる。」


トモコもマイちゃんもやってるんだぁ..



私は放課後のクラブ活動が
以前から気にはなっていた
それも「みんなは楽しそう」と思っていたから
自分も始めれば輪に入れて
毎日がキラキラするかもと考えたのだ


とびきり運動神経がいい方ではないが
スポーツはとても好きだった


だから、ハードで覚えることも多くて
何より苦手なチームワークだから
悩んだ時もあったが毎日毎日ボールを追いかけた。




「またかよ...」 これが本音─


チームの中で私は気が弱く
皆からよくからかわれたり
見下されるポジションだった
もちろんスター選手でも何でもないから


エースだったユカリは特に酷かった
忘れない忘れたりしない
当時の私は未来の私に向け
こう綴っている


「あの3人を殺します、将来、殺すゆるさない」


もちろん殺す気にもならないが
それほど恨んでいたんだ
小さいながらにこんな感情が
湧き上がるんだと何か感じた
私は当時、優等生ってやつだったから
そんな子の言葉と思うとより怖い


シュートが入らなきゃ
クスクス笑われていびられる
パシリに使われる
「お菓子買ってきて」
「お金持って来て」
練習終わりに私物がない
散々だった
ビクビクしながらするバスケは
楽しくなんかなかった


「イジメ」なのかもしれない
そう気付いた頃には
学校も行きたくなくなっていた

“友達だから”。

「買ってこなかったら友達やめる」
そう言われてドキっとして
言われるままだった

買ってきたからと言って
奴隷扱いは変わらない
でも、一瞬のチヤホヤがただ嬉しかった
“友達”を一瞬感じられた

もはやマインドコントロール..
を勝手に自分からされにいっていた

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