【実話】終わらないトンネル



着信中… 「家」

拒否

着信中… 「家」

拒否


「不在着信22件」


過保護は時に子の首を絞める
怖いものだ、本当に
こんな子供を育ててしまうんだからね


卒業間近の私には「高校受験」が
重たくのしかかっていた


かねてから入学を夢見た高校

倍率は高く、いつこぼれても
おかしくない状況が
1週間しても2週間しても変わらなかった


「落ちるかもしれない」

中学校に入り
楽しい仲間とつるむようになった私は
ガクンと成績が落ちていた

2年生の丸一年は遊んで過ごした


やむおえず志望校を変えた


今思えば私はどこを選び
受かっていたとしても
これから苦しみ辞める運命だったのだろう

これは誰がどんなに語りかけようと
どんなに私が強くなろうと
変えられない運命なんだろう


受験勉強をする私

仲間からの誘いのメール、電話
着信音が止まらない

行かなければどうせ言われる
「付き合いが悪い」

うんざりしていた
友達の仲は壊したくない
でも勉強を捨てられない

家に居れば四六時中、
プレッシャーを与えられる

日頃の劣等感、失望感と
いら立ちが重なって
私の中ではじけてしまった


不登校

家に帰らない


こんなことが楽になって
続くようになってしまった…


四六時中、
死ぬことがグルグルグルグル
ただグルグルグルグル…


夜の街をフラフラと1人歩いた

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