あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
幼馴染
啓side
ピピピピ!ピピピピ!
「んー…」
俺はそう言いながら目覚ましのボタンを押す
時間は5時30分
「もう朝かよ〜…」
そう文句を言いながら起き上がり、洗面台のところまで行く
4月の始めに切ったばかりの髪
まだ3mmしかないだろう髪の毛にはもちろんクシなど必要なくて、俺は顔を洗ってすぐ外に出た
俺の朝練は、史花の父さん直伝の準備体操から始まる
おじさんには、小さい頃から史花と一緒にいろいろなことを教えてもらった
その頃から史花はドジで、よく転んでは泣いておじさんや俺を困らせていたにもかかわらず、大好物であるこんぺいとう をあげればすぐに泣き止んでニコッと笑うような単純な子だった
そんな単純な史花は今も健在で、流石に転けて泣くことはなくなったけれど、たまに不機嫌なときはいつもこんぺいとうをあげるとすぐに機嫌がよくなる
でも、俺が史花にこんぺいとうをあげる理由はそれだけじゃない