今はまだ、このままで。
「梨乃にはナイショ」
「涼二?またそうやって意地悪言う…ね、准ちゃん…なんの話?」
「ん?梨乃にはナイショだな」
「え?准ちゃんまでそんなこと言うの?」
「…ほら帰るぞ」
涼二と准一は顔を見合わせて笑うと、梨乃の横を擦り抜けるように、右側を涼二が、左側を准一が階段を上り始めた。
ハッとして梨乃が、その真ん中の定位置まで慌てた顔でやって来た。
「二人だけで仲良くしちゃってズルイよ!」
大真面目に悔しそうな梨乃を見下ろせば、涼二と准一はやっぱり嬉しそうに笑うのだった。
負ける気も、譲る気も全くなくて、いつかはハッキリさせる日が来ることも分かってるけど。
それでもこの関係が心地いいのは、何も梨乃だけが思っている訳じゃないから。