今はまだ、このままで。
「何してんだよ」
「准一こそ」
地元の駅に着いて電車を下りて、階段を上がっていく梨乃と少し距離を取って、階段を上がっていこうとしたら見事に二人は並んだ状態になる。
「お前まさか」
「な、何が!准一こそあいつのスカート覗こうとか」
「ば、ばか言ってんじゃねぇよ!俺はただ、お前みたいなヤツを!」
「なんだよ俺みたいなヤツって」
「だからそれは、梨乃のスカートを覗こうとするヤツがいないかどうか監視しようとして」
「怪しい言い訳してんなよ!お前だって同じだろ?」
階段の途中で、デカイ図体した二人が額を突き合せそうな勢いで言い合いを始める。
巻き込まれたらたまらないと言わんばかりに、二人の周りだけ妙に距離を置かれているのも気づかずに睨み合う。
「だいたいそんなオヤジ臭いこと誰がするんだよ?」
「よく言うよ。ムッツリなくせに」
「なんだと?ムッツリはお前じゃねぇか、涼二」
再び言い合いが始まりそうな時、二人の頭上には絶対に敵わない相手の拗ねたような怒ったような声。