今度こそ、練愛

岩倉君が作ってくれた小さなアレンジは、行き場の失くして事務所の机の上に飾られている。急ぎだというから短時間で作ったというのに綺麗に纏まっているのは、さすが岩倉君。



「確かに酷い扱いだったよ。会場の隅っこの方に追いやられてて、見てて腹が立ったよ」



今朝展示会の会場に行って、私たちの作った花の待遇を目の当たりにしてきた仲岡さんが鼻息を荒げる。もう既に撤去されてしまっていた花もあったという。
頑張って作った作品たちが、そんな扱いを受けるのは悲しいい腹が立つ。



「やっぱり、坂口さんの指示でしょうか?」



つい思っていたことが口から出てしまった。
私って、何て邪悪なんだろう。



「そうだろうね、かなり花が少なくなってた気がするよ、もっといろいろと作ったと思うのに足りない感じ」

「何だか、目の敵にされてるみたいですね。坂口さんって、いつもそんな感じなんですか?」

「うん、いい印象はないかなあ……、でもね、今までそんなに関わったことないんだよ。私は今回が初めて」

「そうですか……」



もしかすると坂口さんの標的は私じゃないんだろうか。展示会の会場で私が反論したから、それが気に入らなかったのかもしれない。
どちらにしろ、あまり関わりたくない人。というより、もう二度と関わりたくない。



山中さんの婚約者というだけで、じわじわと嫌悪感が滲んでくる。



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