鬼部長と偽装恋愛はじめました
週末は、祐平は深夜残業があるから、ゆっくり話ができない。

今夜も遅いから無理だし……と考えていると、全然寝付けれなくて、気がついたら深夜二時になっていた。

「遅いな、祐平……。明日も早いのに」

こんな時間まで、盛り上がってるのかな。

ベッドのなかで悶々としていると、玄関のドアが開く音がした。

それだけで嬉しくて、安心する。

本当は起きて出迎えたいところだけど、時間が遅いから祐平に気を遣わせそう。

そう思い寝たふりをしていると、数十分後、お風呂を済ませた祐平が部屋に入ってきた。

ここで声をかけると驚かせるかもしれないし、このまま寝たふりをする。

すると、祐平が私の額を優しく撫でた。

些細なことだけど胸は高鳴って、目を開けてしまおうかとも思う。

私の心のなかで、祐平への恋心が膨らんでいくのが分かるくらいに、ときめいていた。

「おやすみ……」

祐平の小さな声が聞こえたあと、彼の唇が重なった。
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