四百年の恋
 その週末、歴史専攻の学生たちが集まっての飲み会が歴史科研究室にて開催された。


 歴史科全体のイベントなので、こういう日は研究室も開放される。


 ただし文献満載の本棚だらけなので、学生や教授たちが全員集合ともなればかなり手狭。


 学生は二年生までに一般教養を学び、そこでの成績を元に希望学部や学科を選択。


 それゆえ歴史科に在籍しているのは、三年生と四年生、そして大学院生。


 今回の飲み会には歴史関係の講義を聴講している者も招かれたので、例の福山龍之介も顔を出していた。


 初めて会った日は、席に座っていたので気がつかなかったけど。


 この日は立食パーティー。


 立って会って見ると、一同はその背の高さに驚かされた。


 研究室内のどの男子よりも高く、180くらいはありそう。


 研究室は歴史専攻の学生たちで埋め尽くされ、手狭。


 福山はまだ馴染み切っていないので、窓辺で一人ぽつんと佇みながら、手渡された紙コップでビールなどを飲んでいたようだ。
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