年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
祥裄を部屋になんか入れたくないけど、絵里ちゃんの話は聞き捨てならない。強気で帰れと言いづらくなってぐっと言葉に詰まる私に、大輔くんが声をかけた。

「沙羽さん、俺、帰ります。また連絡しますから。
……祥裄さん、でしたっけ?」

私に笑いかけてから、大輔くんが祥裄に強い視線を送る。


「今はもう沙羽さんの彼氏でもなんでもないんですよね?」

「ああ」


祥裄もその視線を受け止めて、小さく返事を返した。


「じゃあ、沙羽さんに変なことしないでくださいね。また泣かせるのはやめてください」

「わかった」


祥裄は今度は素直に頷いた。その顔にはさっきまでの挑発的な色も揶揄するような色も見当たらない。

それを見た大輔くんは視線を緩めて、最後にまた私に笑いかけてから、じゃあ、と頭を下げて帰って行った。

その後ろ姿を見送りながら、祥裄が小さくため息をついた。

「この前と違ってあからさまだったけど。なんか言われたのか?」

「あんたには関係ないわ」

嘘をついたってさっきの大輔くんの態度じゃバレバレだったけど、告白されたなんて報告するのも嫌で、適当にごまかした。

「関係なくもないけどな。まあいいや、マジで寒くて死にそうなんだ。早くワイン飲ませてくれよ」

そう言って袋を取り上げると、勝手知ったる顔でマンションに入って行った。
< 137 / 462 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop