年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
初めてでもないのに、心臓が笑えるくらい暴れている。
唇を離す、その瞬間に彼の息が当たって、その熱さに慄く。
目を開けると、どこか切羽詰ったような表情の大輔くんが、真上から見下ろしている視線とぶつかった。
「いいんですよね?」
確認するように、彼が私に問いかけた。
……その問いが、私の中にまだ燻っている迷いを、簡単に呼び起こしてしまった。
――いいんですよね?
上がった熱がすっと引いていくのを感じる。
――いいの? このまま、先に進んで?
いいと思った、だから、こうやって彼を部屋に入れたんでしょう?
こくんと無言で頷いた、私の仕草に安堵したように、彼の視線が少しだけ和らいだ。
また唇が近づいてきて、それを受け止めるために目を閉じると、どこからか瑞香の声が聞こえた気がした。