年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「イヤ……」
キスの合間にこぼれ出た、自分の声に追い立てられる。
「……やっ、だ、離してっ」
腕を突っ張って体を離そうとする。
大輔くんはその腕を押さえ込もうとしたけれど、顔を離して私の顔を見た瞬間に、目を見開いてがばっと体を起こした。
気付けば私は泣いていて、大輔くんは私の体にまたがったままその泣き顔を驚いた表情で見下ろした。
「沙羽さ……」
「ご、め……なんで私、泣いて……」
大輔くんの顔が歪んだ。
泣きながら謝る私の腕を掴んで、彼がそっと、私を起き上がらせた。
「俺こそごめん」
流れる涙をそっと拭ってくれる。
その手つきは優しいのに、声はとても、苦しげで。
――ごめん。なんて、言わないで。謝らなければいけないのは私のほうなのに。
帰ります、と小さく呟いて、彼が静かに部屋を出て行く。
私はその後ろ姿を、座り込んで泣きながら、ただ見送るしかできなかった。