年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
……帰ろう。
ここで待っていたって、きっと迷惑だ、と切り捨てられるのがオチだ。
大輔くんのことだから、そう思ってもはっきり言えずに困った顔をするかもしれない。
そんなふうに困られたら、イタすぎる。


見上げていた顔を下げようとした瞬間、誰かがドアを開けた。

一瞬また大輔くんが私の姿を見つけて出てきてくれたのかと思ったけど、ドアの向こうから現れたのは、辻井さんとお客さんの女性だった。にこやかに話しながらお客さんを見送る、辻井さんの目が一瞬私を捉えたような気がして、私は後ろを向いて急いでそのお客さんとは逆の方向に歩き出す。


店の前でスタッフを待っているなんて、まるでストーカーだ。
連絡先を押し付けてくるファンまがいのお客さんより、もっとタチが悪い。
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