年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
話しながら彼の手は、私の髪を横に流して、首にかかったチェーンを捉える。

金具を外して、そのまま天使の羽を私の首から取り外してしまった。

なぜ外すのか意味がわからずに抗議しようとすると、彼はさっき引き出しから持ち出してきたものを私の首にあてた。


「迷ってるなら。不安を感じないほうを選ぶべきです」


天使の羽の代わりに私の胸元を彩ったのは、失くしたと思っていた一粒ダイヤのネックレスだった。
祥裄に貰ったプレゼントの中で、唯一送り返せなかったもの。

驚いて振り向こうとする私の顔をまた押しとどめる。私には前を向かせて、自分は後ろにいるままだ。

「すみません。あの日外して、そのまま返さずに持ってました。いつか返さなきゃと思ってたんですけど」

「なんで……」

「それ、木下さんからのプレゼントでしょう? 嫌だったんです、沙羽さんがそれつけてるの見るの」

子供みたいなわがままですよね、と背後で苦笑する気配がした。


「似合ってるから余計嫌だった。俺にはそんなの贈ってあげられないから」


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