年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~

「大輔くんは、尊敬してるって言ってましたよ」

「大輔は素直ですから。隠している本当の俺を知らないだけです。俺も見せたりしませんし」

それから、ずっとグラスに向けていた視線を私に移した。


「片桐さんも、あの素直さに惹かれたんじゃないんですか?」


ここで私の話になるか。大輔くんの名前なんて、迂闊に出さなきゃ良かったかも。


「あいつが持ってる穏やかな空気は、正真正銘本物です。俺が取り繕って作り出しているものとは違う。素直でひたむきで、裏表がないから、あんな空気が出せるんです。
あいつの前では、強がるのがバカらしくなるでしょう?」

「はい。よくわかります」

「あいつの中で俺は尊敬できる先輩で、それを微塵も疑わない。だからこそ、俺は絶対に素を晒せない。
でも片桐さんは逆でしょう? あいつの前で振舞うあなたが、素のままのあなたな気がする」

「……そうだと、私も思います」

「じゃあ何故木下さんを選ぶんです? そんなに結婚相手が欲しいですか?」
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