年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
大輔くんは戸惑ったように手をうろうろとさまよわせてから、躊躇いがちにそっと、私の背中に回した。


「……木下さんは?」

「別れてきた。プロポーズも断ってきた」


私の言葉に、彼が体を離して私の顔を見る。


「なんで?」


その声に少し咎めるような響きが混ざった。


「木下さんと一緒なら、なんの不安も抱かなくて済む。理想の相手じゃないですか。どうして別れるなんて」

「不安だっていいんだよ」


自信なく揺れる彼の目を覗き込んで、離れていった彼の手に、自分の手を重ねる。


「もう周りの声を気にするのはやめた。結婚なんてどうでもいい、お金もダイヤもいらない」


私の言葉に、すっと彼の目線が胸元に下がる。


「あのネックレス……」

「返してきたよ。婚約指輪も、貰わずに返した。私には必要ないから」


重ねた手に力を込めて、彼の両手を包み込む。
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