年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~

「よくカットモデルしませんか、って声かけられるんだよね。いっつも思うけど大変そうだね。結構断られるんでしょ?」

「はい。俺は今のところ全敗です。元々他人に声かけるの苦手で。無視されたり追い払われたりしょっちゅうで、今日も一人断られたし……」


口から勝手に弱音が出てきて、なに言い出すんだかと自分で呆れた。それでも、その人は嫌な顔をせず、目線で話を促してくれる。


「……美容師に向いてないんじゃないかと思うんです、俺」


気付けば抱えていた不安を全部、一気に吐き出していた。


隣で黙って聞いてくれる気配が、なにを言っても許してくれそうな優しさに満ちていて、口が止まってくれなかった。
彼女に違う男がいた事まで全部、包み隠さずに吐き出し切ると、心の中が少しだけ、すっきりした。
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