年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「……気に入った、のかな?」
「私に訊くな」

瑞香が私の手から日本酒のグラスを奪った。飲まない、と言ってたはずなのに、ぐびっといい音を鳴らしている。


少しだけ、話しただけ。
髪を洗ってもらっただけ。


それだけなのに、あの犬みたいな人懐こい笑顔が、脳裏に焼きついて離れない。アルコールが入っていたとは言え、あんなに安心して眠ってしまうとは思わなかった。

あの子の指も声も気配も、人の心を溶かしてゆるゆるにしてしまう魔力を持っていた。


……でも、瑞香の言う通り、あまりに非現実的すぎて自分でも作り話みたいだと思う。

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