年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「こぉら。今見とれてたでしょ?」

沙羽さんに頬をつねられて、慌てて視線を逸らした。

「見とれてなんかないですよ」

「嘘つくなー。すごい見てたじゃん。正直に言いなさい」

「うー……はい、見ました」

「でも許す。私だって見とれた。あれを見ずにスルーできるのは男じゃない」

沙羽さんがふふ、と笑って手を離した。冗談で怒っただけのようで、ごめんごめんとつねった頬を今度は撫でた。

「じゃあこの姿に相応しいように、もう一段階変身させましょうか」

笑いながら俺たちを見ていたタケさんが、綾川さんを一番奥の席に案内した。俺はひとつ挟んで手前の席に、沙羽さんを座らせる。

鏡越しに、沙羽さんが目をキラキラさせて俺を見上げてきた。

「どんなふうにしてくれるの?」

「それはできてからのお楽しみです。今度はしっかり沙羽さんの雰囲気に仕上げますから」

「おー、自分でハードル上げたねー」

楽しそうな沙羽さんの笑顔につられてこちらも笑顔になる。
予想以上の浴衣姿の可愛さに、さあどうしようか、とわくわくしながら頭の中でイメージを組み立て始めた。
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