年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
やがて出来上がったのは、爽やかで女の子らしい感じのアップスタイル。片側に寄せた髪はゆるいカールをつけてふわふわと、反対側はタイトにまとめてすっきりと。くるんとした後れ毛の向こうに白いうなじが見えて、それがなんとも色っぽい。
全体的にゆるふわな感じが可愛いけれど、飾り過ぎないから甘すぎない、ちゃんとバランスが計算されている、綾川さんの上品さが際立つ可愛さ。

辻井さんは黙って凝視している私たちの視線に気付きながら、動じることなく、今度は椅子の前に移動した。
手に持っているのはどうやらアイライナー。ということは?

「辻井さんってメイクもするの?」

隣の大輔くんに尋ねると、大輔くんではなく辻井さん本人が答えてくれる。

「前の店では必須だったんです。ヘアメイクの仕事も多かったので」

はー、ほんとなんでも出来る人なんだな。でも、辻井さんにメイクされるのって、ちょっと緊張しそう。

ほとんど化粧っけのない綾川さんの頬にふわっとチークを乗せて、指で馴染ませる。綾川さんはもう信用しきっているようで、目を閉じて無防備に辻井さんの手に委ねていた。
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