年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
男の人が女の人にメイクを施す光景って、どこか色めいて見える気がする。
しかも両方共半端ないレベルの美貌の持ち主だから、なんだか映画のワンシーンを見ているみたいだ。

辻井さんの長い指が、綾川さんの顎に軽く触れて、上を向かせる。
そのまま下唇に親指を当てて唇を少し開かせると、伏せていた綾川さんの長いまつげが、少し震えた。

筆先を唇におろして、色味を抑えたピンクベージュのリップを乗せていく。
その仕草が、なんというか。

「エロい」

口から勝手にこぼれ落ちた声が辻井さんにも届いてしまったようで、口元を少し歪めておかしそうに笑った。

「昔大輔にも同じこと言われましたよ。感性が似てるんですね」

「誰が見たってそう思うんですよ。一回動画に撮って見せてあげましょうか?」

「やめろ、気色悪い」

大輔くんの提案に、辻井さんが嫌そうに顔を顰めた。
いやでも、一回客観的にこの光景を見てみたほうがいいと思う。自分がどれだけ周囲に色気を振りまいてるか、もっと自覚したほうがいい。
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