年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~


季節が冬に向かっていくにつれて、街の雰囲気がどんどん華やかになっていく。

クリスマス、お正月と、大きなイベントが立て続けに待ち受けていて、なぜこんな時期に一人になってしまったんだろう、と赤と緑に彩られたディスプレイに目をやって、ため息をつく。

答えは簡単だ、絵里ちゃんが祥裄と過ごすため。

あれから噂は見事な速さで歪んで広がった。
私とうまくいかなくなった祥裄が、絵里ちゃんに相談するうちに彼女を好きになってしまったらしい、ということになっているらしい。
絵里ちゃんが非難されることなんてもちろんなく、私にはもったいないことしたね、と同情の目が向けられるだけ。

三十路を前にしてめでたく独り者になった私には、やたら仕事が回されてきた。年の瀬に向けて忙しい時によくぞ独りになってくれた、と周りから体よく使われているであろうことは、気付かないフリをする。

祥裄とは何回か顔を合わせたけど、不思議なくらい怒りは覚えなかった。ただの取引先の人間として、問題なく振る舞うことができた。
私と祥裄が話をするたびに、絵里ちゃんの視線が突き刺さってくることにも、もう慣れた。仕事なんだから仕方ない、悔しかったらとっとと資格を取って、私と同じ仕事ができるようになればいい。

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