年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~

――約束ですよ、さわさん。絶対俺に切らせてくださいね。


もしかしたらスタイリストデビューした時に指名してもらうために、どんなお客さんにも言っているのかもしれない。
美容師さんにとって、俺に切らせてくださいよ、なんてただの営業トークだ、きっと。

シェリーで飲んだ帰りも、わざと遠回りをしてあの美容室の前は通らないように気をつけた。あの道は普段よく使っていたから、あそこを通れないと少し不便だったけど、何かの拍子で彼とばったり出くわしてしまったら、と思うとどうしても通れなかった。


――忘れよう。こんなに人恋しい気持ちになった時に、あの人懐こい笑顔は危険。

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