年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「……なんで黙って帰っちゃったんですか?」
彼の目は真っ直ぐに私を見つめてくる。
素直な性格がそのまま表されたような目だった。
「一つ確認したいんだけど。……誘ったのって私のほう?」
彼はあの日のようにきょとんとした顔をする。
「誘った、ってなんですか?」
「だから。その……私から、セックスしようって言ったのか、ってこと」
彼はさらに目を丸くして、ぽかん、と口を空けた。それからさっと目元が赤く染まる。
「そんなこと言われてませんよ、そういうこと一切してません。俺、一切手は触れてないですからっ」