年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
私の注意を素直に聞き入れて、大輔くんは食べるスピードを落とした。それでも私の倍の速さで器の中身が減っていく。


「ねえ。聞いてたらあんまり旨みのない仕事に感じるんだけど、なんで美容師になろうと思ったの?」


口の中をいっぱいにしてもぐもぐ動かしていた大輔くんは、また手を止めて顔をあげた。ごっくん、と飲み下して、水のグラスに手を伸ばす。

「なんとなく、面白そうだったから」

「そんな理由?」

「そうです」

大輔くんが当然のような顔をして頷いた。
……それだけ?

「よく続けてるね」

私も器の中をつついていた手を止めて彼を見ると、彼は水を飲み干して、置いてあった水差しに手を伸ばす。


「多分他の店だったら続いてないと思いますよ。というか、タケさんがいなかったら、かな」


いりますか、と水差しを差し出されて、受け取ろうと手を伸ばすと、それを制して彼が私のグラスを引き寄せた。
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