恋する白虎

告白

山田美雨は、ブレーキを掛けて自転車を止め、眼を見張った。

…あれは…同じクラスの西原杏樹だ。

買い出し?

そう言えば、両親が海外勤務で独り暮らしだって…。

ふん。

山田美雨は杏樹が好きではなかった。

杏樹には魅力がある。

人目を引く容姿に加え、人柄もよくて、異性のみならず同性からも人気があるのだ。

アタシだって読者モデルだし、背も高いしスタイルだっていいのに。

…なんなのよ、あの女は。

両手にエコバックを持ち、重そうに歩く杏樹を美雨はにらみつけた。

その時である。
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