あなたの一番大切な人(1)
 「おい、おまえ。家はどこだ?」

 彼女は口を大きく開けて、目の前の男のぶしつけな二度目の言葉に耳を疑った。

 思わず怒りの感情が高まり、手がわなわなと震えだした。

 「また、おまえっていったのか…人の話を聞いてるのか?」

 イライラする彼女とは対照的に国王は落ち着きを取り戻し、悠然と腕を組み相手を見据えた。

 「この俺が直々に送ってやる。感謝しろ。」

 いきなり横柄な態度を見せた男に対して呆気にとられた。

 「いったいお前は何様なんだ!」

 「俺か? 聞いて驚くかもしれないが、俺はな…」

 彼が口を開きかけた時、すぐ上の階段にある窓ガラスがいきなり派手な音を立てて割れた。

 とっさに彼女は腰にさしていた剣を抜き、音のほうへ体を向けた。

 
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