あなたの一番大切な人(1)
陽が昇り、雲が途切れた空を見上げながら国王は城への道を歩いていた。
昨晩の雪は積もることなく、舗装された赤い煉瓦がはっきりと見えていた。
彼はとなりの大柄な男と一言も口を利かず、黙々と道を進んでいたが、はっと愛馬のことを思い出した。
「馬なら、もう小屋に戻してる。」
団長と呼ばれた男がぶっきらぼうに告げた。彼もまた後ろをただひたすら黙ってついてきているだけだった。
背後の異様な怒りを感じながらも、彼は素知らぬ顔で歩み続けた。
街の郊外までやってきて舗装された道も終わり、ざらざらとした土の道を進んだ。
彼は足をいきなり止め、後ろを振り向いた。
「何がいいたい。はっきりと言え。」
先ほどから責める視線で国王を見つめていた大男も声を荒げた。
「自分が何をしたかわかってるんか。問題を大きくばっかりしやがって。あとちょっとで取引の首謀者をひっ捕まえれたかもしれねーんだぞ。前王もむちゃくちゃな奴だったけど、お前さんほどじゃないわ。」
今回、禁衛隊は街に密かに流行していた麻薬の取り締まりが仕事であった。
かなり前から綿密に計画され、多くの下調べが行われてきた。
そして奇襲的に取引の現場を押さえることで、麻薬中毒者、売人全てをひっとらえることができるはずだった。
それなのに、この気ままな王が勝手に敵の陣地に入り混み、しかも勝手に麻薬を持たされて自分の部下に捕まってしまったのだ。
検閲を行っていた時、隊長である自分は先ほど独房に残してきた奴の検査を行っている最中だった。
後ろから聞きなれた声が聞こえてきて、連れだされる男が自分の仕える男だと知った時の彼の驚きはひとしおではなかった。
昨晩の雪は積もることなく、舗装された赤い煉瓦がはっきりと見えていた。
彼はとなりの大柄な男と一言も口を利かず、黙々と道を進んでいたが、はっと愛馬のことを思い出した。
「馬なら、もう小屋に戻してる。」
団長と呼ばれた男がぶっきらぼうに告げた。彼もまた後ろをただひたすら黙ってついてきているだけだった。
背後の異様な怒りを感じながらも、彼は素知らぬ顔で歩み続けた。
街の郊外までやってきて舗装された道も終わり、ざらざらとした土の道を進んだ。
彼は足をいきなり止め、後ろを振り向いた。
「何がいいたい。はっきりと言え。」
先ほどから責める視線で国王を見つめていた大男も声を荒げた。
「自分が何をしたかわかってるんか。問題を大きくばっかりしやがって。あとちょっとで取引の首謀者をひっ捕まえれたかもしれねーんだぞ。前王もむちゃくちゃな奴だったけど、お前さんほどじゃないわ。」
今回、禁衛隊は街に密かに流行していた麻薬の取り締まりが仕事であった。
かなり前から綿密に計画され、多くの下調べが行われてきた。
そして奇襲的に取引の現場を押さえることで、麻薬中毒者、売人全てをひっとらえることができるはずだった。
それなのに、この気ままな王が勝手に敵の陣地に入り混み、しかも勝手に麻薬を持たされて自分の部下に捕まってしまったのだ。
検閲を行っていた時、隊長である自分は先ほど独房に残してきた奴の検査を行っている最中だった。
後ろから聞きなれた声が聞こえてきて、連れだされる男が自分の仕える男だと知った時の彼の驚きはひとしおではなかった。