あなたの一番大切な人(1)
隊長は騒ぐ彼に気を取られ、自分が確認していた女性から目を離すという大きなミスを起こした。
その結果、奴はすばやく逃げ出し、多くの麻薬常習犯が闇に消えてしまったのだ。
-こいつのせいで、計画がおじゃんになったんや-
はらわたが煮えくり返る禁衛隊長とは違って、若き国王はその状況ににやにや笑っているだけだった。
再びくるりと背を向けて歩き出したので、隊長は仕方なくついていった。
-こいつが国王とちゃうかったら殴ってやるのに…-
苦々しい思いで彼の背中を見つめていると、国王は再び話し出した。
「そういえば、お前のその怪我、彼女にやられたそうだな。お前ほどの腕の者が珍しい。何か油断でもしてたのか?」
痛いところを突かれて、隊長は苛立ちを増幅させた。
「そういう陛下こそ、彼女と剣を交えたんちゃいますの。彼女の腕はわかったはずでは?」
彼は再びぴたりと足を止めた。ゆっくり振り返り今度は真顔で答えた。
「だから聞いているんだ。彼女の腕前をお前はどう評価する。お前はただの油断で負傷したのか、それとも彼女の腕が一枚上手だったのか。」
彼からの意外な問いかけに、隊長は内心驚いた。そして、彼自身も襟を正して国王を正面から見据えた。
「あれは俺の不注意からくる負傷でした。だからといって彼女の力を侮ってはいけないと思います。それに彼女の素早さは尋常ではないかと思います。」
自分のもとから逃げた時も感じたが、彼女が国王に牙を向けた時も目で追うことができない素早さを経験した。
そのような経験は今までの人生で一度も無かったので、内心ひやりとしていたところだった。
その結果、奴はすばやく逃げ出し、多くの麻薬常習犯が闇に消えてしまったのだ。
-こいつのせいで、計画がおじゃんになったんや-
はらわたが煮えくり返る禁衛隊長とは違って、若き国王はその状況ににやにや笑っているだけだった。
再びくるりと背を向けて歩き出したので、隊長は仕方なくついていった。
-こいつが国王とちゃうかったら殴ってやるのに…-
苦々しい思いで彼の背中を見つめていると、国王は再び話し出した。
「そういえば、お前のその怪我、彼女にやられたそうだな。お前ほどの腕の者が珍しい。何か油断でもしてたのか?」
痛いところを突かれて、隊長は苛立ちを増幅させた。
「そういう陛下こそ、彼女と剣を交えたんちゃいますの。彼女の腕はわかったはずでは?」
彼は再びぴたりと足を止めた。ゆっくり振り返り今度は真顔で答えた。
「だから聞いているんだ。彼女の腕前をお前はどう評価する。お前はただの油断で負傷したのか、それとも彼女の腕が一枚上手だったのか。」
彼からの意外な問いかけに、隊長は内心驚いた。そして、彼自身も襟を正して国王を正面から見据えた。
「あれは俺の不注意からくる負傷でした。だからといって彼女の力を侮ってはいけないと思います。それに彼女の素早さは尋常ではないかと思います。」
自分のもとから逃げた時も感じたが、彼女が国王に牙を向けた時も目で追うことができない素早さを経験した。
そのような経験は今までの人生で一度も無かったので、内心ひやりとしていたところだった。