シオンズアイズ
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「カイル、その後はどうだ?『七色の瞳の乙女』をその気にさせたか?」

時は深夜。

場所はシリウスの部屋である。

シリウスの問いに、カイルはグッと言葉を詰まらせた。

壁に据え付けられた燭台の蝋燭が、長い炎をゆらゆらと揺らすのとは対照的に、シリウスの寝台の脇のランプはまるで乱れず、時が止まったような錯覚を作り出している。

「夕方の騒ぎを見たが、あれはシオンの力で間違いない」

カイルはわずかに息を飲んだ。

シリウスはそんなカイルを尻目に、淡々と言葉を重ねた。

「……カイル。
お前がシオンを骨抜きに出来ないのなら、他の人間に頼むまでだ。
……その前に……シオンの涙を集めておくのも悪くない。いずれ黄金族人間は攻めてくる。
兵達の怪我を治す薬が必要だ」
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