シオンズアイズ
『抱くなよ』

シリウスの言葉に、頭を殴打されたようなダメージを覚え、吐き気がした。

俺はシオンと結ばれないのか。

肌を重ねることが出来ないのか!

カイルは拳を握りしめ、唇を噛んだ。

カイルはアーテス帝国を愛していた。

国王シリウスを偉大な指導者として慕い尊敬しているし、孤児であった自分を拾ってくれた彼に、限りない恩を感じている。

シリウス様を裏切るわけにはいかない。

けれど、シオンを愛している。

愛してしまったんだ!!

押し殺すには大きくなりすぎてしまった恋心に、カイルは成す術を見つけられずに立ち尽くした。
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