シオンズアイズ
夜明け前。

眠れずに寝台の上で毛布を被り、丸くなっていたシオンの耳に衣擦れの音が聞こえた。

……カイルが帰ってきたんだわ。

シオンは反射的に身を固くして息を殺した。

『死ね』

冷たく冴えた、何も写していないカイルの青い瞳と、容赦ない剣さばきを思い出して、シオンは体が震えた。

一方カイルは、頭から毛布を被り寝台で丸くなっているシオンを見て、胸が軋んだ。

アイーダからシオンを守りたかった。

『どんなにシオンを愛しても、お前のそれが報われることはない』

アイーダの侮蔑の笑みと共に、屈辱にまみれた言葉を思い出して、カイルは胸の痛みに顔を歪めた。
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