シオンズアイズ
「シオン……」

カイルが小さな声でシオンの名を呼んだ。

シオンは返事を返さない。

眠っていると思われたかった。

カイルは続けた。

「君を殺そうとした女を許すことなんて出来ない。
僕は自分の選択に後悔してない。
君を守るためなら、なんだってする」

震えるようなカイルの声。

シオンはドクンと跳ねた心臓に驚き、毛布の中で眼を見開いた。

『君を守るためなら、なんだってする』

……もしかしてカイルは私の事を……いや、まさかそんなわけない。

以前逃げようとして失敗し、カイルに思いきり背中を踏みつけられた記憶が甦った。

その後、抱き締められキスされた先日の出来事が脳裏をよぎる。

分からない。

早鐘のような心臓の音が耳元にまで響き、シオンはその煩さにギュッと眼を閉じた。

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