シオンズアイズ
「なんでお前が悲しむんだ」

シオンは立ち止まって胸に手を当てた。

「だって、あなたが凄く辛そうな顔をしてるんだもの」

兵士は誤魔化すように鼻をすすって空を見上げた。

「ハハッ、俺は平気だ。……馴れてる。それに……人は何かを諦めながら生きていくものだろ?」

「あなた、歳はいくつ?」

「……25」

……不思議なヤツだ。

……今まで、女に歳を聞かれたことなんかないぜ。

シオンは兵士の正面に立つと、眉を寄せたまま彼を見上げた。

「……諦めるなんて、まだ早いわ」
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