ポーカーフェイス

無言の空気がはりつめたままタクシーは真離の自宅の前に到着する。

タクシーの運転手「1560円になります。」

真離は二千円を差し出す。

真離「おつりはいらない。」

そう一言言い残しタクシーを降りた。

今は午前7時半。これから皆が起きようとする時間だった。
真離は自宅のオートロックを解錠してエレベーターに乗り込む。
自分の部屋のある20Fまでエレベーターで、上り玄関の鍵を回してドアを開けようとするとチェーンがしまっていた。

ガチャン。

金属のぶつかり合う音がすると同時に玄関の下を見つめると見たことのない女のハイヒールが真離の視界に入る。