夫婦ですが何か?Ⅱ
「・・っとに・・・千麻ちゃんはっ!」
「はぁ・・・何でしょうか?」
「何でじゃないでしょ!?何考えてるのさ!?」
「・・・・いや、むしろあなたが何を考えているのか・・・」
「昨夜も忠告したでしょ!?『無自覚は罪』だって!何でそんなパーカー一枚で外でちゃうかなぁ!?
自分が今どんだけ無防備で危ない格好してるか自覚してよ!!」
「・・・・・・・・・今現在、無防備な裸体晒してる危ない姿のあなたにそれを言われたくないんですが。
どうしました?裸族にでも目覚めましたか?」
「千麻ちゃんも目覚める?大歓迎だけど」
「夢なら布団で見てください」
言いながら呆れたようにパシッと新聞を彼の腹部に軽い感じに叩きつけて、そのままスッと横を抜けようとすれば。
グイッと手首を掴まれ引き戻されるとそのまま壁に押し付けられた。
特別驚きもしない。
こんな事は日常茶飯事すぎて、世の中は壁ドンやら盛り上がってときめいていらっしゃるけれど私には定番すぎて今さら反応することの方が難しい。
やれやれと絡めた視線も予想通りな不満のグリーンアイ。
冗談めいた会話で流そうと試みての失敗にさほど落ちるでもなく、次に動くのはこうなってしまった事態を早送りで済ませること。
目に見えてのあからさまな不愉快を示す彼が色めいた意味でなくその顔を寄せる。
「ねぇ・・・どの位忠告したら我が愛しき奥様は危機感感じてくれるのかな?」
言いながらその危険度を示すように露わの太ももに指先走らせる彼。
勿論お誘いじゃないことくらい理解していて、嫌味に感じる示し方に溜め息をつくと小さく反論。
「30越えた女の・・・ましてや子供のいる女の生足見て興奮してるのは目の前でキチガイな格好でキレているあなただけです」
「30越えてるなんて・・・一目じゃ分からない。子供がいるなんて並んでなきゃ分からない。
ほら?・・・状況知らない他人には千麻ちゃんはただの女だ」
「・・・・そうですね、【ただ】の女です。
決してあなたのように一歩歩けば視線集めるような特別さもない女ですよ?」
だから心配無用だとその胸を押し退け話を終えようとしたのに。
逃がすはずもない。