夫婦ですが何か?Ⅱ



たいした移動叶わずに捕まって、引き戻されての現状維持。


まだ何か言いたいのかと腕を組んで見上げれば、スッと目を細めた彼の威圧的な視線と無言の戦争。


でも私達に沈黙が続くはずもなく。



「だから無自覚だって言うんだよ。ってか、千麻ちゃんの価値観伺いたいね。何が基準でどういった感じが美人とか綺麗に当たるのか」


「・・・・・お教えしましょうか?」


「是非、納得いくように、」


「少なくとも・・・・、目の前にいる存在の髪の色と肌の色と引き締まった体や声・・・あと羨望する程のグリーンアイ。

ああ、総括すると、【あなた】は綺麗だという感性は持ち合わせてますが?」


「・・・・・」


「フッ・・・今そうして真っ赤なあなたは【可愛い】に括っておきます」


「・・っ・・・ず、ずっる・・・」


「【綺麗】の感性を示せと言ったから一番近くにある物で示しただけです」



してやったりと口の端を軽く上げて紅くなった彼の頬をポンポンと触れる。


憤り感じていた彼もこの一言にそのスタイルを継続できなかったらしく、悔しさ滲ませつつも満更じゃないように表情を歪め。


結果息を吐くと私の肩に額を預けた。


私の勝ち。



「はぁ・・・もうさ、この口論の勝ちは千麻ちゃんに譲るよ」


「まぁ、譲られなくても勝つ気でしたが」


「・・・・・心配してるんだよ。本当に千麻ちゃんって自分の事には管理能力緩いんだもん」


「だから・・・・こんな風に大量の所有印ですか?」



そう言って軽くパーカーの胸元下げて、記憶新しく色も鮮やかな彼の印を示して見せる。


それをチラリと確認した彼がクスリと笑うと首筋に唇を押し当てる。


あっ、と思ったときには手遅れで、更に新たに刻まれた鮮やかな紅。



「本当に・・・どんだけ独占欲強いんですか?」


「昔と違って・・・今は常に隣にいるわけじゃないからね。・・・日中に変な虫が寄ってきても困る」


「・・・だから・・・私に対して過大評価なんですよあなたは・・・。

私は別にこの32年でモテた記憶なんて持ち合わせてませんから」


「・・・・そりゃあ・・・千麻ちゃんの性格知れば・・・ね・・・」


「・・・・・いつでも離婚届書きますよ?書き損じるなんてミスもなく、なんたって一度書いてますから」


「俺は別なのっ!!むしろそのヒネた性格にぞっこんと言うか・・・」


どM男め・・・。



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