夫婦ですが何か?Ⅱ
「すみません・・・服着ていいですか?」
「すみません・・・触りたいです。・・・触って、揉んで、キスして突っ込みたいです」
「いちいち卑猥な言葉攻めやめてくれませんか?私はあなたと違ってMでないので興奮しませんが?」
「だって・・・だってなんだもん!!」
「・・・キューティ〇ニー・・・・」
「ごめん・・・そのアニメ見た事ない・・・」
「世代の違いですね」
サラッと答えてその場を去ろうと動き出したのに、今までヤモリの様に壁に張り付いていた姿が素早く扉の前に立って行く手を阻む。
なんて厄介で面倒な。
呆れた視線の上目遣いで非難すれば、彼は彼なりの葛藤で悶絶していたらしい。
「何なの・・・このダメって言われている現状の方が魅力的な感じ。触っちゃダメって言われるほど触りたくて美味しそうで・・」
「すみませんね、普段が不味そうで」
「飛躍!?違うよ!!普段は高級で激甘なメロンみたいな感じで、今はそれに魅力伴う生クリーム添えられたような!!」
「・・・何か引用がいちいち気持ち悪いんですけど」
「・・・・味見も・・・ダメ?」
「味見したら我慢できなくなって、もっともっとと摘まんで食べて気がついたらなくなってた。なんて記憶持ち合わせていないというのなら・・・」
「・・・・・」
「あるんですね、」
「だって・・・父さんが焼いたアップルパイ美味しくて・・・」
「しかもクリスマスに・・・」
「がっつり笑顔でしばかれた記憶が今も鮮明に残ってます」
「はい、その笑顔の怒りを私からも受けないためにも味見は無しで、」
話は終わりだと遮る彼の隙間からスライド式の扉に手をかけたのに、すかさずその手首に絡み付いてくる指先。
しつこいな。
そんな言葉を脳裏に強引なのに強引でない力で壁に縫い付けられ至近距離に寄った顔。
それを怯むでもなく見上げて無表情を貫く。
対峙する彼はどこか扇情的な耐久顔を私に晒して、我慢できないと言うようにそっと首筋に唇を這わす。
「・・・・千麻・・」
熱っぽい、いつもと違う呼び捨ての響き。
見事ざわついた胸の奥が不必要にもスイッチを入れようとしてくるのに手動で待ったをかけていく。
必要ない。
する気はない。