夫婦ですが何か?Ⅱ



こうして絆されて、まんまと気を許して、心を許して・・・・。


最後は・・・全てを許してしまうんだ。


だったら・・・今くらいは不機嫌な嫌がらせを黙って受けなさいよ。


いい気味だと口の端を上げて目蓋を閉じたのに、しばらくして思い出したそれに口元の弧は静かに消えて。


ゆっくり自分の目に光を通すとのそり起き上がって部屋の隅に置いておいた鞄を漁る。


目的としたものは鞄の中でも他の物に比べて大きく存在感を示して、指先に触れたそれを確かめるように鞄を覗き込んだ。


白い無機質な封筒。


悪意のたくさん詰まった。


この事を彼に告げないのは誤った選択だろうか?


そして渡してきたのが榊だと告げたら・・・・・、



「・・・・・・何をするかわからないわよね」



自分の疑問に自分で答えて息を吐くと、やはり今日のやり取りは彼には保留だと指先から封筒を離し鞄の口を閉じていく。


確かに彼が警戒するようにあの人は何か含みを持って私に接触してきている。


それは分かる。


でも・・・・、この写真と結びつけるにはどうもピースとして噛み合わない気がして。


もう少し・・・・明確になるまで色々と成行きを流すべきだと思うんです。


決して彼には届かぬ助言を心でして、きっと知られたら本気で彼の怒りを買う様な秘め事を作り出す。


慎重に、危険が及ぶギリギリ手前まで。


私が自分の事態を理解して成行きを過ごし身を危険に置いて過ごしていると知ったら・・・・・。



「・・・・・やめた」



一瞬その怒りを明確に想像して、想像しただけでも対処が面倒だと思考からあっさり掻き消していった。


別居の一夜目。



何が困るって・・・愛情健在だからもどかしい。



嫌がらせだって・・・楽じゃないのよ?



ダーリン・・・。




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