夫婦ですが何か?Ⅱ





ーーーーNEXT MORNINGーーーー





正直・・・驚いた。


いつも通りに起きてあくび混じりにリビングの扉をくぐりすぐにキッチンに入り込んだ瞬間。


予想外で違和感感じる視線に驚いて横を向けば、見事ビクッと肩が揺れた。


オープンキッチンのリビング側からのカウンターテーブルに頬杖つきキッチンを覗き込むように無表情で私を見つめている彼に不意を突かれたのだ。


しかも・・・ものすごくその目が眠そうなんですけど?



「お、おはようございます」


「・・・・・うん、」


「・・・早いですね」


「・・・・寝てないからね」


「はっ!?」


「・・・・正確には・・・・眠れなかった。

・・・安心感ある誰かさんの温もり無くて・・・」



何て大げさな。


そう切り返してやろうかと思ったのに、いつもみたいに大げさな嫌味の追い込みでなく本気で辛そうに顔を覆っての力ない一言に見事言葉が詰まってしまった。


そしてそんな私を特別期待したわけでもないらしい彼は、いちいち反応を伺う様な真似もしてこない。


ただここに来て寝不足の疲労が襲ってきているらしく苦悶の表情でテーブルに突っ伏した。


えっと・・・・。


どう返すのが正解なんだ?


いつもみたいに不満の訴えみたいな物言いだったらやりやすいものを、ここまで本気で切なそうにされると同情すらしてしまいそうで・・・。


今日が休みであるのなら『寝てくれば?』と簡単に言える。


でも惜しい!休みには1日早い金曜日の朝なんだ今は。


どうしたものかと真剣に目の前でぐったりとしている彼を見つめる。


まさかここまで追い詰めるとは思っても・・・予想もしていなかったから次への行動が思いつかず。


それでもごく自然に無意識で伸びた指先が躊躇う事なく乱れた彼の髪にそっと触れた。


そのまま労わるように頭を撫でれば、表情は捉えられないけれどゆっくり息を吐き力を抜いたのが分かる。


何か・・・・体に優しい物でも・・・。


ようやくまともに働いた頭で温かい飲み物でも用意しようかと撫でていた指先をそっと離せば。



「・・っ・・・」



すかさず絡み付いてきた彼の指先がそっと私の指先を頭に戻し、満足したように絡めていた手を静かに離した。



「・・・・・気持ちいいから・・・もう少し、」


「でも・・・何か体が休まる飲み物でも淹れて差し上げようかと・・」


「いらない・・・・、千麻ちゃんが触ってくれてるほうが効果抜群だし・・・」



相も変わらず突っ伏したままの姿の表情は読めない。


でも、さっきよりは確かに安堵感じるその声音に言葉に逆らえるはずもなく、それが一番効果的だというのならどうして逆らえようか・・・。


だって・・・皮肉や嫌味を交わすのが常だろうとも・・・。


基本私はあなたに【従順】な妻なのですから・・・。



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