夫婦ですが何か?Ⅱ
いつも思う。
両家族がそろうとなかなかなキャラの寄せ集めだと。
そして疲労するからあまりそういう機会がないといいと思う私はいけない娘なのか。
でも・・・まぁ、嬉しそうだし・・・いいか。
多分相当孫に会いたかったであろう母の喜びよう。
そうして気がつくのは、多分父が珍しく『翠姫に会いたい』なんて口にしたのは母の欲求をよく理解しての発言だったのだろう。
何だかんだで母には甘い部分がある人だし。
とっても分かりにくいけれど。
そんな事を理解しなんとなく現状を眺めていたけれど、ここはまだ公共の場であると意識するとその身を動かした。
「とりあえず・・・部屋に行きましょう。ここで騒ぐのは近所迷惑だし」
そう言って歩きだせばすぐに背後に立った姿が私を覗き込みながら声をかけた。
「ねぇ、千麻ちゃん、茜と連絡取れた?」
「いえ、電話もメールもしたんですが」
「あいつ・・・どこで何をしているのやら」
「もう一度電話してみましょうか」
困ったように笑って息子の不備に嘆きを見せる義父に、クスリと笑うと携帯を取り出した。
そのまま歩いて自室の扉の前に立って、耳に相変わらずのコール音を流しながら扉に触れた瞬間。
んっ?
疑問に眉を顰め顔を上げる。
そうして感じた違和感に視線を動かせば、どうやら私の空耳でないらしい事が隣で同じ方向を見つめた義父で理解した。
その音は・・・人の声と騒音。
バタバタと騒がしい中に言い争いに近い声がして。
気のせいであってほしい。
その声が・・・・、
『ちょっと待ちなさいよ!!まだ終わってない!!』
『だからっ、今は無理なんだって莉羽ちゃん!!別の日に埋め合わせするってーーーっ!!』
勢いよく開いた扉から一気に飛び出してきたのはそんな言い合いで。
どうやら後者が言いきれない内に何かしらのハプニングに見舞われたのか、扉が開いた瞬間に見事そこから外に倒れ込んで姿を現した2人。
その部屋は我が家の一軒隣りと言うべきか。
虚しく耳に響くコール音を聞きながら、倒れた相手の手に握られている携帯が反応しているのが目に留まる。
そして倒れたまま逆さまに絡む気まずそうな視線と。
絡んだのはそれはそれは見覚えのある綺麗なグリーンアイで。
全体像を語れば・・・・・確か仕事で【会社】にいる筈の我が夫様だ。