夫婦ですが何か?Ⅱ
ねぇ、ダーリン?
色々突っ込みどころ満載なのよ。
何で電話にでないのか?とか、何で気まずそうに下手な笑みを浮かべているのか?って事とか・・・、
何で・・・、
何で、一軒隣りの【彼女】の部屋から、2人で雪崩こむように登場したのか?とか!!
もっと、もっとね・・・詳細を語れば・・・。
何で、上半身裸のしかもよく見ればベルトも緩んだ状態で倒れ込んでいるあなたの上に、これまた無防備にもキャミソールにショートパンツ姿の彼女が上に乗ったような状態で登場したのか。
唖然茫然。
それでも無意味だと意識も半分に携帯を太ももの横に下ろすと着信を切った。
当然同フロアにいた他の面々もその集中は彼と彼女だ。
思わずチラリと視線走らせた彼の身内である義父と言えば、仕事の時でもこんな焦った姿を見た事がない。
片手で顔を覆うと苦笑いなのか何とか気丈でいたいだけなのか、複雑な弧を口元に浮かべて。
そうして注目を浴びた当事者といえば・・・。
「っ・・・み、皆さん・・・・お揃いで・・・」
どうしよう・・・。
頭が回らないのにはっきりと浮かぶことが一つ・・・。
殺人を正当化する方法ってあったっけ?
そんな事を脳裏に数秒停止。
でもすぐに、
「・・・・・さ・・・・疲れたでしょう?部屋に入って」
「え・・・えと・・・茜君じゃないの?」
「ああ、違う違う・・・あれは蜃気楼だから、幻覚だから気にしないでお母さん」
「っーーーちょぉぉ!!待って待って千麻ちゃん!!誤解ーーー!!」
困惑する両親を何事もなかったかのように部屋に押し込むと、ようやく焦って起き上がって誤解を叫ぶ彼。
そんな姿にチラリと冷めた眼差しだけを残し急いで扉を閉めると施錠した。
閉めた直後に一歩間に合わず、開けようとしガチャガチャ言わせながら叫ぶ彼を扉に寄りかかりながら対応する。
「すみません。変態は間に合ってるんですが、」
『千麻ちゃん!!マジに誤解、本気に誤解!!』
「ベルトはしめた?公然猥褻で訴えられるわよ?」
『違う!違うんだってぇぇ』
「それにしても・・知りませんでした。
あなたの職場がこのマンションの別室に変わっていたなんて」
『こ、これには非常に深い訳が・・・』
「あ、いいです。これ以上あなたの声を聞いていたら思わず役所に走ってしまいそうなんで」
『千麻ちゃぁん!!』
「気安く呼ぶな!万年発情期男!!」
言い切って、もう終わりだとその場を離れた。