夫婦ですが何か?Ⅱ
それは、社長と秘書であった積み重ねもあるのかもしれない。
でも、彼女は望んだ以上に俺と言う人間を理解して、望んだ結果を得る為に確実なる手段に導いてくれて。
その彼女自身を卑怯な逃げ道で望んだ時も俺を嫌悪することなく隣に寄り添ってくれて。
結果・・・望む以上に愛して、慈しんで、寄り添って、かけがえのない存在になってくれた。
そんな彼女。
そんな彼女が・・・・、
それが、俺のたった一瞬の変化であっても見落とすはずが、
見逃すはずがないというのに。
それだけ・・・・想われていると己惚れにも近い自信がある。
それが・・・傲り?
でも・・・そう自信が持てちゃうくらい・・・。
ああ、もう・・・本当に・・・。
「うぅ・・わぁ・・・・、愛してる・・・・」
「フハッ・・・、感情込めて呟いたところで現状微塵も伝わってないけどな」
そう。
そうですね。
それは・・・成す術なくこの冷たい床に座りこんでいる時点で痛い程理解しております。
こんな事がなければまずこんなところ座って床の柄を改めて確認するような事なかったし。
なんか型通りの夫婦っぽい喧嘩してるじゃん。と、こんなところで夫婦を実感しても嬉しくなく。
ただ、どうしたら住み心地のいいマイホームに帰宅することが許されるのか真剣に悩む。
結局問題の回帰で蹲って沈黙していれば。
「茜・・・・俺、中戻っていい?」
「っ・・酷くねっ!?ってか父さんだって居心地悪いばっかで居場所ないでしょ!?」
「別に・・・、これはお前と千麻ちゃん当事者同士の問題だし。その一瞬に焦ってもすぐに気持ち立て直せなくて大企業の社長様なんてやってられないんだよ茜」
「・・・・」
「むしろ?最悪な状況からどう大逆転してやろうかと血が騒ぐ。・・・・やりがいがある・・・ってね」
「・・・・カッコいぃ・・・」
スッと細まったグリーンアイがすでにこの現状を楽しみだしていると暗に伝える。
決して立場的には微笑ましくない筈なのに。
やはり伊達じゃない。
軽く尊敬すらしてしまう父の度胸のような物を、見習いたいとジッと見つめ。
そんな俺をクスリと笑うと身を動かして踵を返し始める父。
ああ、でもあと一つ、
「母さんと喧嘩した時どうやって仲直りしてる?」
取り急ぎ最終確認と、人生の先輩である、夫婦として先輩である父の背中に助言を求めた。