夫婦ですが何か?Ⅱ
母が語る脚色満載の少女漫画の様な話とは違いリアルさ満載の父の自伝の様な。
やはり父的には激しく熱情感じての結婚ではなかったかと納得するのにどこか寂しいような。
あれだけ母の方は父に感情的なのに父にとってはそうでなかったみたいで。
それでもこうして何十年も連れ添って夫婦をしている。
奥が深いなぁ、夫婦は。
そんな事を思いぼんやりとポツリポツリと浮いている雲を見上げていると。
「母さんとなら・・・バランス良く折り合いがつけられると思ったんだろうな・・・・」
「・・・・はっ?」
「誰か他人と並び合うというのは・・・・大なり小なりお互いに我慢する部分が出てくるだろう?
関係を良好に保つには・・・血のつながった家族であっても折り合いがあって。バランスがある」
「・・・・まぁ、・・・そうね」
確かに、私だって母に疑問や受け入れられない部分もあって、我慢したり時にはぶつかったり。
そういう事が言いたいのだろうと何となく理解を示して頷いていく。
「意外と・・・程よいバランスの相手を見つけるのが難しい物なんだぞ。本来・・・折り合いつける場がない方が気が合ってると言えるけど・・・全く皆無の人間なんていないだろうし。
折り合いをつけるという事は多少なり自分の今まで築いてきたルールや生き方を諦める物でもある。それは・・・相手に好意があってもストレスが発生するもので、増えすぎれば疎ましくなる」
「・・・・」
「程よい折り合いと、譲れない部分の衝突は夫婦には必要なんだと俺は思う。お互い出すぎないようにバランスとって並んで、どちらかが前に出すぎたらぶつかって叩いて同じ位置に戻せばいい。
それが出来なければ・・・離れればいいんだ」
「・・・・・折り合い・・・ね」
「母さんとは・・・・苦労することなく自然とそれが出来たってところだな」
「そう聞くと・・・・お父さんとお母さんが凄いって感じてくるわ」
「凄いのは・・・俺みたいな奴にいつまでも食いついてくるあいつだろうな」
言いながら珍しく苦笑いでも口の端を上げて、リビングで孫と過ごす母を見つめる父。
同じように母に視線を走らせてゆっくり父に視線を戻すとすでにその笑みは消えていたけれど。
「ねぇ・・・・急に翠姫に会いたいって言ったのは・・・・お母さんが会いたがって仕方なかったのに気がついていたから?」
あまりのポーカーフェイスについ自分なりに気がついていた事を疑問としてぶつけた。