夫婦ですが何か?Ⅱ
そう、どうせ可能性ある事であるならそうであってほしいと願うだけ。
それに・・・、
「グリーンアイなら誰かさんの子だと実感できますからね」
これまた深く考えもせず、翠姫のグリーンアイを見ながら思ったことを口にしてしまっただけで。
だからこそ彼の反応なんて予想もしていなかったし、彼が示すまで意識もしなかった。
「・・・っとに・・・・」
「・・・はい?」
「何でそうやってサラッと人の心弄んじゃうかなぁ?」
「・・・・・はぁ?」
彼の声にようやく視線戻せば、何故だか軽くその顔を紅潮させての不満顔。
理由分からず疑問を返してもまるで私が意地悪でも言ったかのように見つめ返され、とうとうあからさまに首を傾げればスッと立ち上がった彼が無言で会計に向かう。
一体なんなんだか・・・・。
何がどう彼に作用したのか理解に苦しみながら自分も支度を済ませていくと、入り口で待っていた彼に歩み寄り。
私がその姿を並べれば賑やかな店内を背後に退店。
店員の『ありがとうございましたぁ』の声を背中に受けながら、前方からは夜風を感じて。
少しばかり酔いの効いた体に心地よく作用し過ぎ去っていく。
そうした感覚に疑問も流され忘れそうになった瞬間。
「・・・・・・黒目でも疑ったりしないし」
「・・・はっ?」
「でも、ちょっと・・・・いや、かーなーりー・・・・嬉しかった・・・・さっきの言葉、」
「・・・・」
「・・・・どんな子でも俺・・・千麻ちゃんと俺の子だって実感できるよ」
「・・・・・茄子でも?」
「おおう・・・それはちょっと自分の子だと否定したくなるね」
さすがに苦笑いで切り返してきた彼がクスクスと笑って翠姫の頬をつついてくる。
茄子は・・・私もさすがに焦ります。
ただの照れ隠し。
今度は大火傷してしまいそうだった言葉を必死にかわした自分を誤魔化して。
冗談めいた言葉の引用でその場を流した。
弄んでいるのはお互い様じゃないですか。
あなたが私の一言に乱されたというのなら、私は今の言葉に見事乱されて心音が煩いです。
密かに歓喜に弾む心臓を宥めて夜風を感じていれば、不意に小さく噴き出した彼に意識を戻し。
そうして捉えたのは何とも言えない困ったような笑み。