夫婦ですが何か?Ⅱ



「・・・ってか、別に妊娠しているわけじゃないのに何で俺たちこんな話してるんだろうね?」


「想像妊娠夫婦ごっこでしょうか?」


「ごっこじゃなくて実現したいなハニー」


「・・・却下、」



どこか熱っぽい表情で、でも言ってる言葉に本気を混じえての彼の要求にすかさず否を返せばこれまた素早く不満を刻む彼の眉根。


それに動じることなく溜め息をひとつきで歩みを止めることなく夜風を切れば。



「・・・・何で?さっきまで幸せ家族計画にその項目あるって・・・」


「ありますよ。でもお忘れでしょうか?とりあえず目下のところ再就職が目標なのですよ?」


「それ先にしちゃうとますます子作りしにくくない?」


「ですから就職して2,3年は健全な夫婦の営みで、」


「千麻ちゃん、自分の年齢考えてる?色々とリスク伴う感じになってきちゃってるのよ?」



どこか憐れむような眼差しで上から下まで確認するように視線走らせる彼を、わざわざ足を止めると無表情で見つめ上げ威嚇。


当然怯んだ彼が取ってつけたように微笑んで誤魔化そうとするのに言葉で追い打ち。




「成程・・・暗に年増であると言いたいわけですね」


「な、だって、どんなに見た目は若々しくても実年齢はさぁ・・・」


「どうせあなたより5つも上のババァですよ。肌のハリもあなたに完敗してますよ」


「そんな事言ってない~!!」



本気では怒ってないにしろ不愉快だと表情歪めて足を速めて、それに焦りながらご機嫌伺って彼がついて歩く。


そんな両親を他所にぐっすり腕の中で眠る翠姫だけが平和な帰路であったり。


それでも自虐的な言葉を口にしても特別それに嘆いた事はないのだ。


自分も元より彼も今更その年齢差に意識するような間柄でもないし。


彼が言っているのもその年齢に嘆いているのではなく一般的常識の中の忠告。


どんなに気持ちで若かろうが彼が言う通りに出産に関して年齢はシビアな問題だ。


それも充分に分かっているのですけどもね。



「千麻ちゃぁん、本当に俺おばさんとか思ってないよぉ?確かにたまに発言に世代感じる時はあるけどさぁ」


「世代感じるでしょうとも。何せ私が花の女子高生であった16歳の時あなたはまだ愛らしい11歳・・・・・・それはまだ可愛らしかったんでしょうとも・・・」


「ねぇ・・・さりげなく下半身に視線走ったのは俺の気のせい?それともセクハラ?」


「まだ色々と未発達のツルツルだったのかと、」


「明らかにセクハラだよね!?」



フンッ、と鼻を鳴らして告げたのは完全なるセクハラ。


恥ずかしげもなく言いきったけれどさすがに下品な物言いだったかと腕で眠る翠姫を見つめて静かに反省。





< 276 / 574 >

この作品をシェア

pagetop