夫婦ですが何か?Ⅱ
いったん終了だと切り上げられた会話でも、やはり頭に残って考えてしまう。
仕事が順番的には1番だった。
でも、よくよく考えて彼が言う様に自分の年齢も上がってきていて、仕事以上にリスクが高くなるのは出産の方かもしれない。
まだ翠姫も1歳だし急ぐことはないと思っていたけれど、問題は翠姫の年齢でなく自分だったか。
そもそもよく考えたら出産問わず今後の行事として当然運動会とかも存在して。
そんな場面で親子リレーなんか出た際に高年齢で走れなかった時を考えると、なんて・・・。
「うわっ、最悪・・・・」
「・・・千麻ちゃん・・・なんか無言だと思ってたけど脳内トリップしてた?」
「運動会で『自分はまだやれる』と過大評価して全力疾走して結果足がもつれて転ぶ自分を想像してました」
「ああ・・・よくあるよね。ってか・・・・運動会はどこから発生したの?」
「いえ、このまま高齢出産したらどんなリスクがあるか想定してたら・・・」
「運動会まで飛んだか・・・・」
苦笑いで乾いた声を響かせ納得しながら彼が玄関の鍵を開錠して、暗い玄関を明かりで灯すと部屋に上がる。
もう眠ってしまった翠姫をベビーベッドのある寝室に運びこむと静かに起こさないように横にして。
ようやく身軽になった自分もら楽な服装にしようとクローゼットに入りこむと、先にその目的で存在していた彼が来ていたシャツを脱いだ場面。
脱いだ際に乱れた髪が顔にかかって、そのままの姿勢で私を振り返ると声を響かせる。
「翠姫は問題なく就寝?」
「はい、朝まで起きないかと」
一度寝てしまえばそう簡単に起きない我が子。
それを理解して彼に言葉を返せばクスリと笑った彼が再び前を向いて私に後ろ姿を晒す。
いつみても引き締まった体だと感心して腕を組みながらクローゼットの扉枠に寄りかかるように見つめていれば。
多分今着ようとした服を手に不動になった彼が振り返って向ける苦笑い。
「なんか・・・セクハラな視線感じる」
「ああ、お気になさらず。いつも近すぎる距離から見ている裸体を遠巻きに確認しているだけですから」
「うわぁ・・・セクハラだ。そういう言い方されると逆に近くで見られるより恥ずかしいんだけど」
「じゃあ近くでガン見しましょうか?」
ワザと体を隠すようにおちゃらけて胸を隠した彼に、スッとその身を寄せて行き。
すぐ目の前まで寄った時には彼もその体をこちらに向けて私を見下ろす。