夫婦ですが何か?Ⅱ
そして、みるみるへこんでいく姿に思わず軽く噴き出せば、今にも涙が浮かぶんじゃないかという様なグリーンアイに物申すような表情で見つめられた。
「笑うとこ?」
「だって・・・そこまで気にするポイントだとは思いもしませんでしたから」
「ヤバい・・・結構ショック・・です」
言いながらトンと後ろ頭を床につけて片腕で顔を覆う姿に、『あらら』と溜め息をついて覗き込むように身を乗り出す。
まさかそこまで自分の顔に自信を持っていたのだろうか?
そしてそれに私も間違いなく惚れ込んでいたとでも?
「ダーリーン?」
「・・・・」
「・・・・・泣いてます?」
「泣いてない・・・」
「そんなに私の好みでなかったことがショックですか?」
「・・・・」
「どうせ私の中でつきあう基準で容姿は後付なんですけどね」
彼の胸の上で腕を組んで、その上に顎を乗せてそう呟けば、ようやく僅かに動きを見せた彼の腕の隙間からグリーンアイが覗く。
それと視線を絡めると自分の腕を僅かに動かし彼の胸元に口づける。
「私は・・・元来恋愛に周りほど熱が入らないタイプなんですよ」
「なんとなく分かる」
「ですから、つきあう基準も気が合って一緒にいる事を肯定するための括りだと思っていて・・・、だから結婚とか子供とか夢を馳せた事がなかったんです」
「・・・・」
「・・・そんな私がですよ?結婚や出産に意識走らせ踏み込んだんです。それだけで充分顔の好みの問題より大きい事だと感じませんか?」
「・・・・・今、・・感じました」
「馬鹿ですね。それに、【好みじゃない=嫌い】じゃないんですよ?言っておきますけど・・・」
スッと身を起こすと未だ彼の顔を覆っていた腕を頭の上の位置の床に下し固定して、きょとんとした表情の彼を真正面から見下ろし見つめる。
そう・・・好みではなかった。
小憎たらしくて、生意気で・・・。
この顔で何人の女を騙すんだろう?とも思っていた。
でも・・・、今では私の夫の顔。
「少なくとも・・・・・こうして見下ろすあなたの顔は凄く好きです」
言ってすぐに口の端を上げる。
優越感に満ちた唇をすぐに彼の唇に重ねて啄んで。
そっと引き上げようと唇を離したと同時に背中に回った彼の手。