夫婦ですが何か?Ⅱ
「外であれだけ無防備なら家の中では下着姿かと・・・」
「あからさまなセクハラはやめてもらえませんか?早朝に・・・しかも現在再婚ほやほやな妻帯者が、」
「・・・・・結婚と男の欲望は別物かと、」
「それ・・・奥様にうっかり口滑らせてもよろしいでしょうか?」
「・・・・莉羽は気にしないと思うけど」
「それで?本来の用事は何だったのでしょうか?まさか本気で朝からセクハラ目的の来訪じゃないでしょうし」
開口一番のセクハラ発言。
しかも淡々と告げられたそれは否定の言葉もなければ誤魔化すような笑いもないものだから、本気なのか冗談なのかも分からない。
若干あきれた眼差しで非難してみれば、それに対しても表情動かさない男は大物なのか。
その男とくれば言葉より早くその意図を伝えるように視線を自分の部屋のある方にチラリと向ける。
そして補足のようにようやく響くその言葉。
「ご存知の通り・・・莉羽と再婚したので」
「はい、」
「で、毎度の如くなんだけど籍入ったし住む場所も同じにするから」
「・・・・・つまり、同居?」
「まぁ、・・・いつまで続くかは定かでないけど」
なんて不吉な。
暗にまた離婚するような事もありうると、さらり表情も崩さず言いきったこの人はやはり大物だ。
本当にこの2人には【離婚】とは気分で成されるたいした問題でない事なのだと再認。
こんな2人の思考にはやはり妊娠や一般的家庭の想像図はないのだろうと予測も立つ。
まぁ、それがどの夫婦にも当てはまる幸せでもなし、夫婦水入らずで同じ価値観の好きな事して過ごすのもありだろう。
そんな私の癖であるような哲学に思いふけっていたけれど、不意に気がついたそれに今度は自ら疑問を響かせる。
「あなたの使っていた部屋はどうするんですか?」
「ああ、それも毎度の事なんだけど人に貸す」
「他人に・・・」
「あっ、他人って言っても知りあいにしか貸さないから安心して。ストーカーになり得るような人間には貸さないから」
「・・・そこは冗談として笑うところですか?」
「・・・・どちらでも」
本当に無表情。
私が言うのもなんだけど・・・もっと感情の強弱をつけてほしい。